あなたの平和憲法を知っていますか?【Web版】

 誰が?なんのために改憲したいの?

  世界戦略のために再編(トランスフォーメーション)し、軍事を拡大しているアメリカは、日本がアメリカに従属して海外で戦闘できるように強いプレッシャーをかけてきています。
  アーミテージ前米国務副長官は、対日報告書(2000)で、「集団的自衛権を禁じていることが両国の同盟協力を制約している」として、集団的自衛権の禁止を取り払うことを提起しました。
  改憲によって再び戦争できる国になり、日米安保条約にしたがって、アメリカと共にどこででも戦争に加担できるようになることが求められているのです。

  この要望に全面的にそうような形で、2001年に発足した小泉内閣は、有事法制などの整備、自衛隊の再編計画、そしてアメリカとの共同軍事活動の強化をおし進めました。
  アメリカ主導のイラク戦争は、国連憲章に違反したものでした。国連憲章は、自衛のための戦争と国連の安全保障理事会が決議した場合の戦争しか認めていません。しかしながら、日本政府は、「人道支援活動」という名の下に、アメリカ主導のイラク戦争を支援するために武装した自衛隊を派兵させました。
  世界の約八割の国(ドイツ、フランス、ロシア、中国、インドを含む)が、世界の平和のためのルールを踏みにじった戦争に加担しなかったにも関わらず、日本は憲法違反を犯しながらアメリカの侵略と占領を支援し続けています。

  また、改憲のための国民投票法案(注1)や草案作りなど、改憲にむけて猛烈な勢いで作業が進められていることも周知の事実です。
  2005年には、自民党の「新憲法試案要綱」と「憲法改定草案」が公表されました。これらには、権力や政府への制限を軽くし、「公の秩序」や「国民の責務」などの概念を憲法に書き込むことが提案されています。「公の秩序」によって、個人の自由や権利よりも国家を優先し、「国民の責務」によって、国家を守る義務などを人々に課そうとするものです。加えて、「愛国心」という言葉の代わりに「国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務」が示されています。時代に逆行して、明治憲法のように、憲法が人々を縛り、人が国家のために尽くすようにされようとしているのです。

  さらに、自民党は憲法改定草案をとおして、「自衛軍」と呼ぶ軍隊を設立し、集団的自衛権を容認する考えを明確にしました。この草案では、第九条の一項「戦争の放棄」は残され、二項の「戦力の不保持」と「交戦権の否認」は消し去られています。やさしく言うと、「日本は、絶対に戦争をしませんが、軍隊を持ち戦争することはできます」となるわけです。
  また「自衛軍は・・・国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる」とも書かれています。
  一見「世界貢献」や「世界平和」の為だけの軍隊のようですが、「国際的に協調して行われる活動」とは主に米国の世界戦略のことであり、日米安全保障条約にもとづいて、米軍主導による戦争への参加が主な活動になることが予想されます。このことは、現在すでに行われている日米軍事同盟の強化と共同演習などからも明らかでしょう。

  日本が再び「戦争ができる国」になることは、軍事による国や人々の統制によって、再び膨大な権力や利権を握りたい政治家や権力者たちの念願です。そして、アメリカが圧倒的な軍事力をもってするグローバルな市場経済秩序にあやかりたい日本の財界の思いとも重なります。
  戦争の下請けを企業がする「戦争の民営化」とともに、日本のグローバル企業(大企業)は、軍需産業に関わることで、生き残りをはかろうとしています。武力行使が可能になることによって、海外での自由な市場活動を守るという利点も生まれます。
  アメリカでは「軍産複合体」と呼ばれる巨大な存在が政治を動かしていますが、日本でも同じようなものが形成されようとしていると言われています。現に、日本の経済団体は「武器輸出禁止三原則」の見直しをもとめ、「弾道ミサイル防衛システム」(MD)の日米共同開発にまでこぎつけています。
  ここでも「防衛」という言葉が使われていますが、弾道ミサイルは戦争のための兵器ですから、憲法に違反したものであることは誰の目にも明らかです。

 

←BACK      TOP      NEXT→



連絡先:peace@earth-citizen.org   Copyright© 2005 Genki Hiroba Press All rights reserved.